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PIC マイコンの特徴・用途や種類について

最終更新日さいしゅうこうしんび:2023-08-29

2023-06-12 意外とこの記事が読まれているようなので、書き直しました。

 PIC マイコン(Peripheral Interface Controller)は、マイクロチップ社が開発・製造しているマイクロコントローラの一種で、CPU、メモリ、GPIO、タイマといった基本的な機能に加え、ADC(アナログ-デジタル変換器)や USART、MSSP(I2C・SPI)等の通信等、さまざまなペリフェラルが 1 つの IC に組み込まれています。読み方は「ピック」です。

 種類によっては、DAC(デジタル-アナログ変換器)やオペアンプといったアナログ機能や、PWM や NCO といったパルス出力関連の機能、さらには CLC と呼ばれる論理回路を構成できる機能(小規模な CPLD といった感じです)が搭載されている製品もあります。ペリフェラルはレジスタで設定を行えばハードウェアで動作するため、例えば CLC と MSSP を組み合わせることでシリアル接続のフルカラー LED である WS2812B の制御も可能で、高速に、かつソフトウェアの負担を減らすことができます。

PIC マイコンの特徴

 PIC マイコンは安価ですが、数多くの機能を持っており、低消費電力でもあるため、組込みシステムに最適です。小さなものは 6 ピンの小型なものからピン数の多い製品まであり、センサをはじめとするデバイスとの接続・制御が可能です。

 PIC16F1705 を例に示します。16F1705 は、8 ビット DAC とオペアンプを 2 個内蔵しているため、アナログ的な設計が可能です。また、冒頭でも説明した CLC も搭載しており、2023-06-12 現在秋月電子通商で 200 円と安価でありながら、高機能であることがわかると思います。

PIC マイコンの用途

 PICマイコンはマイクロコントローラなので、各種家電製品や産業機器の制御回路に使用されます。また、低消費電力である点や小型である点を活かして、IoT デバイスに用いることもできます。小型低機能な製品から高速高機能な製品まで揃っているため、電子制御であれば何にでも使えるといっても過言ではないかもしれません。

PIC マイコンの種類

 PIC マイコンには特長や性能に応じて PIC10、PIC12、PIC16、PIC18、PIC24、PIC32、dsPIC といったファミリがあります。

 PIC マイコンは型番を見ることで、特徴がわかります。例えば先ほども例示した PIC16F1705 の場合、

  • 16:ファミリ
  • F:タイプ
  • 1705:品種

といった型番命名法になっています。

 タイプには F、C、HV があり、F はプログラムメモリがフラッシュメモリで書き換えが可能なタイプ、C はワンタイム(書き換えができない)で紫外線消去窓がついたタイプもCに分類されます。HV は高電圧対応となっています。

 製品は数多くの品種があり、10/12/16 の場合は、2 または 5 から始まるものが最小限の機能のベースラインシリーズ、1 から始まるものはアーキテクチャが強化された Enhanced ミッドレンジシリーズといったようになっています(例外もありますが)。

 PIC16F1705 の場合、フラッシュメモリで書き換えが可能な Enhanced ミッドレンジシリーズであることがわかるかと思います。

 PIC10 から始まる型番は 6 ピンで(DIP パッケージの場合 8 ピンで、そのうち 2 ピンが NC)、PIC12 は 8 ピンです。PIC16 以降はさまざまなピン数のものがあります。新しい品種では、8 ピンの PIC16 もあります。10F ファミリは省機能ですが 6 ピンと小型なので、複雑な制御を行わないアプリケーションで、特に小型化が求められる場合に便利なシリーズです。

ベースラインシリーズ

 ベースラインシリーズは命令長 12 ビットの、最小限の機能のみを持つマイコンで、割り込みが使えない、タイマが 1 つのみといった特徴があります。ベースラインの PIC は型番が、10F/12F/16F のあと 2 または 5 から始まっています(10F200、16F54 等)。ペリフェラルはタイマのみで機能は少ないのですが(ADC、コンパレータがある品種もあります)、安価であり、単純な制御を行う場合に活躍するシリーズです。

ミッドレンジシリーズ

 ミッドレンジシリーズは命令長が 14 ビットで、ベースラインと比較し割り込みが使える、ペリフェラルが増えているといった特徴があります。通信など基本的なペリフェラルを持ち、タイマもほとんどの品種では複数備えています。標準的な機能で、電子工作においてもよく使われています。16F84 等があります。

Enhanced ミッドレンジシリーズ

 Enhanced ミッドレンジシリーズ(F1 ファミリ)は型番が F1 から始まり 4 桁または 5 桁の比較的新しい品種で、アーキテクチャが見直されミッドレンジより高機能となり、MCC(コード生成ツール)が使え、現在主流になりつつあるシリーズです。マイクロチップ社はディスコンが少ない代わりに古いデバイスの価格を上げる販売戦略を採っており、F1 ではないミッドレンジシリーズは高価なので、新規で PIC を採用するには、私は F1 ファミリを推奨しています。

 F1ファミリは型番により、さらに分類ができます。F14から始まる品種はUSB内蔵、F15から始まる品種が汎用的、F16から始まる品種が小型モータ制御用、F17がアナログ機能を豊富に備えていて、F18は高機能、F19はLCDドライバを内蔵しています。

 すべてのペリフェラルを内蔵している製品はないので、用途に応じて種類を選択することになります。

ハイエンドシリーズ

 ハイエンドシリーズは命令長が 16 ビットで PIC18F から始まる型番になっています。これもさらに 18F、18FJ、18FK、18FQ に分類されます。また、さらに上のタイプとして、PIC24、dsPIC、PIC32 といった品種もあります。

種類ごとの特長

【すべてのファミリで共通】

  • 8 ビットのタイマ 0 を持つ
  • MCLR 機能を持つ GPIO は入力専用である

【PIC16F5x シリーズの特徴】

  • MCLR(リセット端子)、T0CKI(タイマ 0 入力)が独立している
    • タイマ 0 の値を読むことで T0CKI を入力専用ピンとして使う裏技があります。

【F1 ファミリの特徴】

  • MCC が使える
  • 多くのペリフェラルを持つ

 また、10F322 は F1 シリーズのように MCC が使えペリフェラルもいくつか内蔵しています。


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PIC マイコンの選定

 PIC には数多くの種類がありますが、選定にあたっては、クロックやメモリ容量などの処理能力、GPIO の数などの要件を踏まえたうえで、センサ等との通信機能やペリフェラル、消費電力や電圧、サイズ・パッケージで選定を行います。また、入手性や価格も重要です。特に個人の電子工作で製作する場合、秋葉原等の部品販売店で容易に入手可能な品種から選ぶ方法もあります。

PIC マイコンの短所

  • 同時実行(マルチタスク)ができない(dsPIC33CH64MP202等、デュアルコアタイプもありますが、基本的にはシングルタスクです)
  • 4クロックで1命令が実行されるため、(特に 16F 以下のモデルは)他のマイコンと比較し遅い
  • 昨今の社会情勢・半導体不足で品切れや値上げが目立つ

 といった短所があります。

PIC マイコンの開発環境

 PIC マイコンは、MPLAB X IDE という IDE(統合開発環境)を使用して開発し、Pickit4 等のライタでプログラムを書き込みます。MPLAB には MCC というプラグインがあり(最新版では MPLAB に同梱され別で導入する必要がなくなっています)、ペリフェラルの設定のコードを生成してくれます。言語はアセンブラまたは C 言語で開発をします。コンパイラによって書き方は変わってきますが、当サイトではコンパイラには XC8 を使用しています。また、XC8 は無料ですが、有償版を使うことで、コンパイル時によりプログラムメモリを削減することができます。無償版でも商用利用等に制限はありません。ただ、最近のバージョンは 1 度しか書き込めないバグがあり、2 回目以降書き込みたいときは一旦 MPLAB を終了させる必要があるようです。プロジェクトによって書き込めることもありますが、謎です。

 Pickit4 のピン配置を以下の表に示します。Pickit4 側は三角形がついているピンが 1 番ピンになります。

ピン 名称
1 /MCLR
2 VDD
3 GND
4 PGD
5 PGC
6 (未使用)
7 (未使用)
8 (未使用)

 PGD はマイコンの ICSPDAT 端子に、PGC は ICSPCLK 端子に接続します。古いタイプのマイコンでは、PGD、PGC という名前のピンがあり、このほか PGM 端子があります。Project Properties の設定で、Pickit から電源供給をすることもできますが、出力電流は少ないです(50 mA)。外部から電源を供給する場合でも、電圧監視のため VDD は PICKIT と接続する必要がありますので注意してください。未使用ピンは接続しません。

PIC マイコンを使った製作例

ラジオ

記事はこちら

 PIC12LF1822(8 ピン)と I2C 制御のラジオ IC を使用した AM/FM 2 バンドラジオです。液晶画面とボタンを備え、小型の PIC でありながら高機能を実現しました。ただし、プログラムメモリはほぼフルで使っています。

オルゴール

 PIC18F27Q43を用いた電子オルゴールも作ってみました。画像はありませんが、音源 IC 等は使用せず、PIC マイコンのみで 3 和音の矩形波とパーカッションの音色を生成できます。何曲か入れましたが、プログラムメモリに余裕があるので、まだまだ曲が入ります。18F ファミリの高速である点や、DAC を活用しています。なお、バッファのオペアンプやスピーカ駆動用のパワーアンプは外付けしています。

時計

時計

 PIC16F819 の時計です。PIC のタイマ 1 は専用の発振回路を備えていて、32768 Hz の時計用の水晶発振子を接続し正確な計時を行っています。また、温度センサも接続し、ADC で温度を読み取っています。

 その他、簡単な治具等も製作しました。このように、PIC マイコンでさまざまなものを作ることができます。


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